先日、私にとってただ一人の祖父の葬儀に参列しました。
盆暮れ正月に顔を見せに行くと、笑顔で迎えてくれたのを思い出します。
元小学校の教員で、地元の子供たちに習字を教えていた祖父は、
小さい頃から厳しく、厳格な人でした。
正月に恒例の祖父に手習う書初めは、半日書き続けてもなかなか納得してもらえず、
遊びたい盛りの子供時代は憤ったものです。
初孫の私は子供たちの取り纏め役であり、姉貴風を吹かせて生意気盛りの子供の頃、
よく怒らせてしまっていた私にとって、一番怖い大人が祖父でした。
しかし、みんな揃っての夕餉の時間に、大好きなお酒のお酌をすると
上機嫌で祖母の頬にキスをしてみたり、意外な一面も持っていて、
ギャップを初めて意識したひとかもしれません(笑)
晩年の祖父は、丸くなったを通り越し、子供の頃感じていた威厳や覇気がなく、
なんだか見上げていた大きな壁が、勝手に崩れてしまったかのような寂しさを感じました。
今頃は、先に浄土に行っている最愛の祖母と、やっと会えたなと語らっている頃でしょう。
葬儀とは、故人様を見送ると同時に、自分と故人様との関係や思い出を見つめ直せる
大切な節目の時間だと、改めて感じました。
この仕事を通して少しでも、皆様の葬送の時をお手伝い出来ればと
心、新たにさせて頂いたと思っています。
ありがとう、おじいちゃん